「音痴」は誤解、かもしれない。2017年06月18日 16:47

私は保育系の大学で、
弾き歌いのためのピアノレッスンも
担当させて頂いている。
ピアノレッスンとはいえ、
弾き歌いなので、
歌もカバーすることになる。


大人の「音痴」と思い込んでいる方へ、
参考になるかと思うので、
前出の彼、
そう、突然音痴じゃなくなった彼の様子を
もう少し書いてみたい。


レッスン曲は、「きらきら星」。
まず、前奏を弾くのに、ピアノに集中していて、
次に歌うことには、意識が行っていない。
なので、最初の音から違う音で歌い出す。

あー  なんかちがってるかなーと
思いつつも、
左手はコードを読んで、次々準備し、
右手は、メロディーを間違えないように弾き、
心で、もしくは、頭の片隅でカウントを取って、
と、こなしているうちに、
そのまま、曲が終わる。。。

弾き歌いとは、こんなにも同時に、
いろんなことをするんですね。。。


ハイ。
ここで、カウントを取れている彼は、
リズム音痴では、ない。決定。



では、もう一度、弾き歌おう。
途中から、私も一緒に、
耳元で、歌う。

あ、私の声に合わせようとしてる。

では、ピアノは、私が弾くから、
私の声と合わせて、歌だけ歌ってみよう。
さっき、合わせようとした感覚を使うんだよ。


さっきより、少し良いね。
もう一度。

ここで、私は気がついた。
このハ長調は、彼にとっては低いんだ。
だから、声が出しづらく、
小さな声になるから、
大きな声で歌おうとして、ピアノと音がずれる。
これは、全く、音痴ではなくて、
テクニカルなこと。
彼は、音痴では、ない。決定。



声は、軽く、位置を高く、出してみよう。
ミッキーマウスが話しているぐらいの位置を、
想定してみよう。
(ここで、
声をこの位置にセットできるための姿勢も伝授
=ヴォーカルボディワークを使う。)

そして、私の声をさっきの感覚を使って、
最後まで聞きながら歌うんだよ。


ハイ。OKです!
もう、わかったね。大丈夫だね。
誤解してたんだね。

「俺、音痴じゃないんっすか」
「やった」
「ほんとは、カラオケ好きなんっすよ」

彼は、とても嬉しそうだった。




これは、
たった10分ぐらいの出来事ではあるけれど、
いろんなことを示唆しています。

★カウントが取れるなら←リズム音痴ではない。

★人の声を耳元で聴いて、
それに合わせて歌ってみよう。
↑これは、音痴矯正の王道の方法です。

★聞こえてきた音や声に、合わせてみよう。
合ったときの感覚を楽しもう。
いつでもその感覚を使って、歌いましょう。

★その曲はあなたに合ってる調(キー)ですか?
キーが合っていない、
それだけでも合わせることになれていない場合、
音痴現象が起きてしまう。
それなりにファルセットを使ったり、
高い音、もしくは低い音だけを外して歌う場合は、
音痴ではない。
テクニックの問題か、キーの問題だと考えられる。


ということで、みなさん。
音痴と決めるのは、早すぎるかもしれませんよ。
人は、自分のことでも、
いろいろと誤解してのかもしれません。

メロディー音痴と思っているの方、
まずは、上手な人の横で、
合わせて歌ってみましょう。そう、何度でも。







※私は、音痴について、3種類あると考えている。
1   音程音痴  メロディー音痴
    メロディーが違ってしまう。
    伴奏とハーモニー的に合わない。
2   リズム音痴
    拍、リズムが取れない。
    伴奏と歌い終えるタイミングが合わない。
3   1 と 2 のミックスタイプ

そして、1〜3の種類の中でも、
音痴度はそれぞれで、ミックス度も相まって、
個人差が大きい。

音痴って何?2017年06月16日 14:19

今日は、
「音痴について考える。」


日本人は、
民族的に、
先天的音痴はいない、
という話しをきく。

それを信じるならば、
今、音痴 な方は後天的音痴、
ということになる。
作られた音痴というわけだ。
だとしたら、直せる。
。。。はず。
少なくとも、今より良くできる。
。。。はず。




なぜ、後天的に作られてしまったか?
私の関わる学生や
生徒さん達から受ける感じではあるが、
まず音楽経験が少ない。


音楽経験というのは、
「聴く」「歌う」「踊る」「演奏する」などとしよう。

第一段階  「聴く」は、最初は無意識。
環境が大きいように思う。

第二段階  「歌う」は、声や音を聴く、ということと、
声を出す、ということ。
この二つをつなげることが、経験の2段階目。
これが、この道が、
高速道路のようであれば、
音痴ではなく。
これが、けもの道のようだと、音痴になる、
と考えるとわかりやすいだろうか?

ここまでが、基礎的なことになり、
第3段階の、
「踊る」「演奏する」は、より芸に近くなる。
そして、「歌う」もここから芸になってゆく。
このように考えられないか?




そして、それを人の成長と重ねてみると、

幼少期 
あまり、周りで音楽や歌が流れていなかった。

幼児・児童期
今まで歌う環境が少なかったので、
歌うことが恥ずかしくなっている。
そして、早ければ、もう、このあたりから、
「音痴」感を自分なりに、感じ始める。
だから、まず、自分が歌わなくなる。


思春期
そして、誰かから、冗談のようにであれ、
やっとの思いで歌った歌を、
「音痴じゃない?」と言われ、
もう、これで、ますます音痴だと確信してしまう。
そして、声変わりの時期でもある。
思うように声が出なかったり、
声が出しづらいから、音程も取りづらく、
また、その変化が怖くなって、
声を使わないようにしたり、
そのうちに、コンプレックスになってしまうケースもある。




ちなみにその後。。。

大人期
そうして使われなくなった、
声や呼吸のための筋肉は弱り、
それでまた、音痴傾向が強くなってしまう。

老年期
筋肉や、ホルモンや色々が減少し、
声がかすれたり、
出したい音程が出しづらくなってくる。





私はどうも、
音痴はこのように作られて行くように思う。

そして、この大切な幼児期・児童期に、
学校の先生からの一言、
また、その誤解、などから
大人になるまで、
歌を我慢してる方も結構いらして、驚く。


さあ、保育士志望・教員志望のみなさん。
そして、お父さん お母さん 
おじいちゃま おばあちゃま  などなど。。。

皆さんは、とても大切なポジションにいます。
音痴を作らない、ことができるポジションです。
すばらしいですね。



ずれてても大丈夫。
たくさん、楽しく歌いましょう。
辛いときも歌いましょう。
自分で自分に、歌いましょう。

よく、
「音痴と歌うと音痴にしちゃうから」
という方がおられます。
でも、ちょっと待って。
すれてる歌を覚えても、
音痴でなく育っていれば、
ずれは直せますよね!


だから、そう簡単に、
「音痴」という言葉を
使わないようにしませんか?
そんなレッテル、いらないですよね。

ピアノ初心者さんの覚えるべき5つの音2017年06月15日 21:03

昨日のブログに、

「まず5つの音を覚え」と
さらりと書いたことを
もう少し詳しくお伝えしましょう。



最初に、真ん中のド。
この音は、ト音記号でもヘ音記号でも、
お団子の串刺しのような棒が通った形をしています。
これを楽譜と鍵盤上で位置を覚えましょう。

次に、高いド。
これはト音記号の、上から2つ目の間。
そして、低いド。
これは、ヘ音記号の、下から2つ目の間。
楽譜上でも鍵盤上でも、
真ん中のドを中心に、ちょうど対称位置にあります。
覚えやすいですね。
この3つを覚えると、
最初に手をセットする位置が決められます。
ほっとしますね。。。


そして、ト音記号の、真ん中のドから上がった ソ。
ヘ音記号の、低いドから上がった ソ。

この5つを、完璧に。
楽譜上でも、鍵盤上でも覚えましょう。
簡単ですね!




ド と ソ  が決められれば、
あなたはおそらく、既に
音の並びが、 ドレミファソラシド
だと知っていると思いますので、

ド の右隣が レ
ソ の左隣が ファ
ソ の右隣が ラ
ド の左隣が シ
ということで、あとは ミ 。
これは、まあ、大丈夫じゃないかな。。。

後は慣れるだけです。



お奨めは、ドレミを書き込まないこと。
速く慣れるためには、書かない方が良いですね。
心細いと思いますが、
今の間違いは、当たり前。
速く反射神経で指が反応するようになるために、
今は、我慢して下さいね。

慣れるのは、割とあっという間です。
ゲームも、
何回かやってみるとあっという間に慣れるでしょう?
ピアノも同じです。

慣れていないことを、
できないこと、と思わないで下さいね。
健闘を祈ります!