水面下の大仕事2017年07月22日 23:21


今日の声楽レッスン。



まず、先月に続いて二度目の女性です。


彼女の望みの第一番目は、
歌ってものどが痛くならないこと。
二番目は、高い声が出るようになること。


とはいえ、
元々お持ちの声がチャーミングだし、
軽く、高めの美しい声です。

合唱グループのソプラノで歌うことになり、
高いシが、出したい。



そう、このような望みはみんなそう思いますよね。。。



次の男性。
この方も元々は、合唱団でテノールでした。
頼りにされてたタイプです。

彼の望みも、高いソを美しく、
パバロッティみたいに歌いたい。



本屋さんには、
短い時間で高音を出せるようになる本もいくつもあります。

皆さんの望み、なのだと感じます。



実際に私がお伝えしたことは、
「まず、その高い音までの途中の音域が歌えるまでは、
その一音を出すことが賭けになってしまいます。
まず、普通に歌える音域を
声帯に負担を掛けず、全身で歌えるようになったら、
そこから試すことができるようになります。」

言葉の意味がわかっても、納得したくない言葉です。


そこで、彼には壁を背に立って頂き、
無理のない音域の歌を身体の力を抜いて出る声で
歌ってみて頂きました。


そうすると、
「あー、わかった。。。
これぐらい下腹の力を使うんだね−。。。
これができないと無理なんだねー」

「これぐらい、からだを使うと
声の位置も上がってくるんだね−」


その通りです。
たった1回で、それを感じて頂けてさすがです。



白鳥は、上から見ている私たちには
優雅に、すいすい滑るように動いて見えます。
でも、実際、水の中の水かきは、
どれだけ動いているでしょう?

風が吹いても、あのように優雅に滑ります。
どれどけ、たくましく動いているのでしょう?


歌うときの下半身も同じようなんです。
優雅に歌うには、下半身の力強い支えと
見えないけれど、はら、腰の筋肉の動きが必要なんです。


これなしに無理をすれば、
当然、声帯が疲れたり、ポリープができたり、
と言うことが起こります。


そしてそれを手に入れるには、
上半身の力の抜け感が鍵を握っています。

上半身の力がちょうど抜けると、
元々使うべきだった、下半身の筋肉が動き始めます。


急がば回れ、です。